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配筋検査のチェックポイント|かぶり・定着・継手で指摘される箇所と検査の段取り

配筋検査のチェックポイント|かぶり・定着・継手で指摘される箇所と検査の段取り

配筋検査はやり直しのきかない検査

配筋検査は、コンクリート打設前に鉄筋の施工状態を確認する検査です。打設した瞬間にすべてが隠蔽され、以後は非破壊検査でも限定的にしか確認できません。つまり、建物の構造品質を目で確かめられる最後の機会です。

検査には、元請の社内検査(自主検査)と、工事監理者による検査、物件によっては瑕疵保険や中間検査の検査が重なります。社内検査の精度が低いと、監理者検査で指摘が多発し、是正と再検査で打設日が飛びます。打設日には生コンとポンプ車と職人の手配がぶら下がっているため、検査のやり直しは即、金と工程の損失です。社内検査で決着させる、が配筋検査の基本方針になります。

検査前の準備が半分を決める

図面を持たずに現場へ行って「見る」だけでは検査になりません。事前準備は次の3つです。

  1. 構造図の該当部分を読み込む: 伏図・軸組図で当該階の部材配置を確認し、部材リストで各符号の配筋仕様(主筋の径・本数、帯筋・あばら筋の径とピッチ)を頭に入れます
  2. 配筋標準図を確認する: 定着長さ・継手長さ・フックの規定は、設計図書ごとに配筋標準図で定められています。検査はこの標準図が採点基準になるため、当該工事の標準図を必ず持参します
  3. 前回指摘の一覧を持つ: 同じ職長のチームは同じ癖を持ちます。前回階の指摘一覧を持って行き、再発していないかを最初に見ます

チェックリストは項目を増やしすぎないことがコツです。次章以降の観点を1枚に収め、部位ごとに確認欄を設ける程度が現実的です。

チェック観点1: 径・本数・間隔

基本中の基本ですが、指摘は常に出ます。見るべきは次のとおりです。

  • 主筋の径と本数が部材リストどおりか。とくに符号が似ている部材(C1とC2、G1とG1A)の取り違え
  • 帯筋・あばら筋のピッチ。端部で密になる指定(部材リストの端部・中央の区分)が守られているか
  • スラブ・壁の配筋の径とピッチ、上端筋・下端筋の位置の逆転がないか

ピッチの確認は、目視の印象ではなくコンベックスを当てて数スパン分をまとめて測ります。1スパンごとの誤差より、連続した区間での本数の過不足を見る方が誤りを検出しやすい方法です。

チェック観点2: かぶり厚さ

かぶり厚さは、鉄筋の耐久性と耐火性を左右する重要項目で、建築基準法施行令に部位ごとの最小値が定められています(設計図書でそれ以上の値が指定されていれば、そちらが基準になります)。検査での実務ポイントは次のとおりです。

  • スペーサーの数量と配置: かぶりはスペーサーで確保されます。スラブ・梁・壁・柱それぞれに適したスペーサーが、適切な間隔で入っているか
  • かぶりが薄くなりがちな箇所: 型枠の建入れが動いた壁の端部、梁とスラブの取り合い、開口部まわり、そして結束線の飛び出し
  • かぶりの取りすぎ: 薄い方だけでなく、厚すぎも有効せいの不足として構造的な問題になります。スラブ上端筋の沈み込みは典型例です

測定はかぶりゲージやスケールで、疑わしい箇所を狙って行います。全数測定は不可能なので、「薄くなりがちな箇所」を知っていることが検査の効率を決めます。

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チェック観点3: 定着と継手

定着・継手は、部材どうしの力の伝達を担う部分で、監理者検査でもっとも厳しく見られる項目のひとつです。

  • 定着長さ: 梁筋の柱への定着、スラブ筋の梁への定着が、配筋標準図に定める長さ(鉄筋径の倍数で規定)を満たしているか。定着の起点をどこから測るかも標準図で確認します
  • 重ね継手: 継手長さと、継手位置が応力の大きい位置を避けているか。隣り合う継手位置をずらす規定も確認します
  • ガス圧接: 圧接部のふくらみの形状・ずれの外観確認と、圧接技量資格者の確認。検査態勢(外観全数、抜き取りの試験)は特記仕様書の規定によります

定着・継手は「長さが足りない」が発覚すると是正の手間が大きい箇所です。職長との事前打ち合わせで、標準図の規定値を共有しておくことが、検査当日の指摘を減らす一番の近道です。

チェック観点4: 開口補強・貫通部・細部

主要部材が合格でも、細部の指摘は残ります。頻出は次の箇所です。

  • 壁・スラブ開口の補強筋(斜め補強筋の入れ忘れが定番)
  • 設備スリーブまわりの補強と、スリーブ位置が梁の欠き込み制限に抵触していないか
  • 打継ぎ部の差し筋の径・ピッチ・長さ
  • 段差スラブ・小壁など、標準図に載りにくい取り合い部の納まり

設備スリーブは、配筋検査と同時に設備業者立ち会いで位置を確定させると、後からの「スリーブ追加で斫り」を防げます。

写真記録のコツ

配筋検査の写真は「検査した証拠」であり、竣工後に唯一残る構造品質の記録です。

  • 黒板(電子黒板)に部位・階・検査項目を明記し、遠景(部材全体)と近景(測定値が読める寄り)をセットで撮る
  • スケールやかぶりゲージを当てた状態で、数値が読める向きで撮る
  • 是正箇所は、指摘時と是正後を同じアングルで撮って対にする

撮影箇所をあらかじめリスト化しておくと、撮り漏れが防げます。写真管理アプリを使えば、部位・階ごとの整理も撮影時に済ませられます。

監理者検査をスムーズに通す段取り

社内検査の中身と同じくらい、監理者検査の受け方にも技術があります。差がつくのは次の3点です。

  • 社内検査の記録を先に渡す: 監理者検査の前に、自主検査の結果(チェックリストと是正済みの記録)を送っておきます。「元請が先に見て、直すべきものは直してある」ことが伝わると、検査は確認の場になり、あら探しの場になりません
  • 順路と足場を用意する: 検査当日、見てもらう順路を決め、スラブ上の歩行路や梁の覗き込みに必要な足場・脚立を先回りで用意します。検査者が見やすい現場は、それだけで施工の管理水準を推測させます
  • 職長を同行させる: 指摘のその場で施工の意図を説明でき、是正方法の合意まで一度に済みます。後日伝聞で伝えると、意図が抜け落ちて過剰な是正になることがあります

監理者との関係は最初の配筋検査でほぼ決まります。1回目に「この元請は自分で品質を管理できる」と示せれば、以降の検査は協働の場になります。

指摘が出たときの進め方

指摘ゼロの検査はありません。大事なのは指摘後の段取りです。

  1. 指摘内容を職長と現地で共有し、是正方法と期限を合意する
  2. 是正一覧に番号を付け、写真と対応させて管理する
  3. 是正完了後、指摘者(社内検査なら検査者、監理者指摘なら監理者)の確認を取り、記録を閉じる
  4. 指摘の傾向を次の階の事前打ち合わせに反映する

この4を回すかどうかで、階を追うごとに指摘が減る現場と、毎階同じ指摘が出る現場に分かれます。

まとめ

配筋検査の要諦は、標準図を持って行くこと、薄くなりがち・不足しがちな箇所を知ってから見ること、そして記録を残すことの3つです。検査の目は一朝一夕には育ちませんが、指摘一覧の蓄積は組織の検査力そのものになります。検査写真の撮影・整理の効率化についてはCloudCameraの紹介記事もご覧ください。

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