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型枠工事の施工管理|建込み精度・支保工・存置期間の押さえどころ

型枠工事の施工管理|建込み精度・支保工・存置期間の押さえどころ

型枠は「コンクリートの品質」と「現場の安全」を同時に握る

型枠は仮設物ですが、その出来はそのまま躯体の出来になります。型枠の通りが曲がっていればコンクリートも曲がり、締固め中に型枠がはらめば断面は設計と別物になります。同時に、型枠支保工の不備は打設中の崩壊という重大災害に直結します。品質と安全の両面から管理すべき工事、というのが型枠の位置づけです。

管理のタイミングは大きく4つ。建込み中、打設前、打設中、解体時です。順に見ていきます。

建込み中の管理: 精度は「後で直せない」

型枠の精度確認で見るのは、位置(墨との一致)、垂直(建入れ)、高さ(天端レベル)の3つです。

  • 柱・壁の型枠が墨からずれていないか。とくに外周部のずれは外装の納まりに波及します
  • 建入れは下げ振りやレーザーで確認します。締固めの振動で動くことを見越し、チェーンやサポートでの控えの取り方も見ます
  • 梁・スラブの天端レベルと、スラブの厚さを決めるスペーサー・レベル管理の方法

精度の指摘は、型枠が閉じてからでは直せません。建込みの途中段階、壁なら片面の建込みが終わった時点で一度見るのが実務的なタイミングです。あわせて、設備スリーブ・箱抜き・埋込み金物の位置もこの段階で照合します。コンクリートを打ってからのスリーブ追加は、斫りと補強という最悪の手戻りになります。

支保工の管理: 計画どおりに組まれているか

型枠支保工は、労働安全衛生法令上も組立図の作成や点検などの管理が求められる仮設です(具体の基準は最新の法令・指針を確認してください)。施工管理者が現場で見るポイントは次のとおりです。

  • 支柱(パイプサポート等)の間隔・水平つなぎが組立図どおりか
  • 支柱が沈まない地盤・下地か。下階スラブ上に立てる場合、下階の支保工を残す必要がないか(強度上の検討)
  • 高い支保工や梁下の集中荷重部など、荷重の大きい箇所の補強
  • 打設順序と支保工の関係。偏った打設で片側に荷重が集中しないか

支保工は「組んだ人」と「載せる人(打設)」が別の日になるのが常です。打設直前の点検を必ず挟み、組立後に外された部材や動いた箇所がないかを確認します。

打設前チェック: 閉じる前の30分が勝負

打設前日のチェックは、型枠を閉じる前と閉じた後の2段階で考えます。

閉じる前: 型枠内の清掃(切りくず・結束線・ごみ)、剥離剤の塗布、配筋・スリーブの最終確認、打継ぎ面の処理。掃除口の位置もここで確認します。

閉じた後: 締付け金物の緩み、開口部・端部の補強、ノロ漏れしそうな隙間、打設用の足場と手すり、ホース・ポンプ配管の取り回し。

チェックリストは長くする必要はありませんが、「誰がいつやったか」を残すことが重要です。打設は生コン・ポンプ・職人の総動員イベントで、当日の中止は大きな損失になります。前日夕方までにチェックを終え、指摘の是正まで完了させる段取りが基本です。

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打設中の監視: 見る人を決めておく

打設中の型枠事故(はらみ・ノロ漏れ・支保工の沈下)は、起きてから対応したのでは間に合いません。監視体制をあらかじめ決めます。

  • 型枠大工を打設に立ち会わせ、はらみ・漏れの兆候があれば即座に締め直せる体制にする
  • 下階に監視員を置き、支保工の異常(沈下・傾き・異音)を見る
  • 打上がり速度を管理する。一度に高く打ち上げると側圧が急増します。1層の打設高さと打上がり速度の計画を、職長・ポンプ・生コンと共有しておきます

「異常があったら打設を止める」の判断者を決めておくことも重要です。止める権限が曖昧だと、全員が様子を見ているうちに手遅れになります。

打設が終わった直後にも、ひと仕事あります。天端レベルの再確認、締付け金物のゆるみ、支保工の異常の最終チェックです。翌朝ではなく当日中に見ておくと、初期の異常(沈み・はらみ)に気づける可能性が残ります。

解体のタイミング: 存置期間は強度で判断する

型枠と支保工をいつ外せるかは、コンクリートの強度発現で決まります。存置期間の基準は、設計図書・特記仕様書と、建築工事標準仕様書(JASS5)等の規定によります。部位(せき板か支保工か、垂直面か水平面か)と、セメントの種類、気温によって必要な材齢・強度が異なるため、「いつも何日で外している」という慣習で判断するのは危険です。

実務では、テストピース(現場養生供試体)の圧縮強度試験の結果で解体可否を判断する方法が確実です。とくに冬期は強度の伸びが遅く、夏と同じ日数感覚で外すと、たわみ・ひび割れ・最悪は崩壊につながります。解体後の梁下・スラブ下の再支保(サポートの盛替え)が必要な場合は、その配置と期間も計画に含めます。

転用計画: 品質とコストの接点

型枠は転用(同じ材料を複数回使うこと)を前提に費用が組まれています。転用回数が増えるほど安くなりますが、せき板の傷みは打放し面の品質に直結します。管理者として見るべきは、化粧打放しや見え掛かり部に何回目の板を使うかです。「安い型枠計画」と「要求品質」の整合は、型枠業者任せにせず、着工前の打ち合わせで決めておきます。

発注段階で決めておくと現場が楽になる3項目

型枠の管理は、実は発注・契約の段階から始まっています。次の3つを注文時に文書で確定させておくと、現場での揉めごとが減ります。

  • 数量と単価の範囲: 型枠面積の拾い方(開口の控除ルール)、曲面・打放しなど割増の対象、桟木・面木・目地棒の扱い。ここが曖昧だと、精算時に必ず食い違います
  • 支保工計画の作成者と責任: 支保工の構造検討・組立図を誰が作るか(型枠業者か、元請か、構造検討を外部に出すか)。高さのある支保工や特殊な架構では、検討責任の所在を先に決めておくことが安全管理の出発点になります
  • 打設立会いの体制: 打設日に型枠大工を何名立ち会わせるかを、単価に含む形で合意しておきます。当日に「立会いは別途」と言われてからでは遅いためです

化粧打放しがある場合の追加管理

コンクリート打放し仕上げが設計に含まれる場合、型枠管理の水準は一段上がります。セパレーターの穴(Pコン)と目地の割付図を作って設計者の承認を取る、使用するせき板の転用回数を新品または若い転用に限定する、打設の順序と打継ぎ位置を見え掛かりを避けて計画する、といった管理が加わります。さらに、補修の方法(色合わせ)まで事前に決めておくこと。打放しは「打ってから考える」が利かない仕上げの代表です。

よくある失敗

  • 打設当日にスリーブ漏れが見つかり、打設を止めて追加した(前日チェックの形骸化)
  • 冬期に慣習の日数でせき板を外し、表面の強度不足でひび割れた(強度確認の省略)
  • 下階の再支保を早く外し、上階打設時にスラブがたわんだ(支保工の連続性の見落とし)

いずれも「確認の省略」が原因で、技術的に難しい話はひとつもありません。型枠管理は、決めた確認を決めたタイミングでやり切る仕事です。確認の記録(チェックリストと写真)を階ごとに残しておけば、次の物件では自社の失敗データが最強のチェックリストになります。

まとめ

型枠工事の管理は、建込み精度・支保工・打設前チェック・打設中監視・強度による解体判断の5点に集約されます。配筋とあわせて、躯体品質は打設前にほぼ決まります。検査の実務は配筋検査のチェックポイントも参考にしてください。

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