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3現場掛け持ちの巡回負担を写真共有で軽減|移動時間を月35時間減らした現場把握の仕組み|T建設株式会社様

3現場掛け持ちの巡回負担を写真共有で軽減|移動時間を月35時間減らした現場把握の仕組み|T建設株式会社様

企業概要

項目内容
社名T建設株式会社
所在地中国地方
従業員数24名(うち施工管理5名)
主な事業店舗・倉庫・事務所の建築一式工事、改修工事
年間売上約9億円
現場の分布車で片道30分〜1時間半の圏内に分散

導入前: 「移動しているか、電話しているか」の毎日

T建設の施工管理者は、常時2〜3現場を掛け持ちしています。車での移動は1日平均2時間。しかも移動して現場に着いても、目的の作業が終わっていたり、逆にまだ始まっていなかったりと、空振りが珍しくありませんでした。

移動を減らそうとすれば、今度は電話が増えます。職長への状況確認の電話、口頭説明では埒があかず「写真を送って」のやり取り、届いた写真がメールやチャットに散らばって後から探せない。工事部長が全現場の状況を把握する手段は、毎夕の担当者への電話ヒアリングでした。

  • 施工管理者1人あたりの移動時間: 月40時間超
  • 電話による状況確認: 1日10件以上
  • 送られてきた写真の保存場所: メール・個人チャット・各自のスマホに分散

「現場を見る仕事のはずが、現場に向かう仕事になっている」。ある担当者のこの言葉が、見直しのきっかけでした。

発想の転換: 「行く回数を減らす」ではなく「行かなくても分かる状態を作る」

検討の初期には、担当割りの見直し(エリア制)も議論されましたが、受注の地理的ばらつきから断念。代わりに採用したのが、写真のクラウド共有を軸にした遠隔把握です。ツールは電子黒板アプリのCloudCameraを使い、次の運用を組みました。

運用1: 「定点報告写真」を職長の日課にする

各現場で、毎日の作業終了時に撮る写真を決めました。作業エリアの全景数枚と、その日の主要作業の状況です。撮影は常駐する職長・世話役に依頼し、撮影項目はアプリの撮影設定で固定。1日5分の作業です。

ポイントは、報告のための特別な写真ではなく、もともと撮っていた記録写真の延長線に載せたことです。黒板情報と分類は撮影と同時に付くため、「報告用に加工して送る」という手間がそもそも発生しません。

運用2: 朝の10分で全現場を「巡回」する

施工管理者は朝、事務所または最初の現場で、担当現場の前日写真をクラウド上で確認します。進捗のずれ、気になる納まり、養生の状態。写真で足りない点だけを職長への短い電話で補い、その日に本当に行くべき現場を決めます。工事部長も同じ画面を見るため、夕方の電話ヒアリングは廃止されました。

運用3: 「行く日」は検査と調整に集中する

遠隔で分かることが増えた分、現場に行く日の中身を変えました。移動の合間に慌ただしく寄るのではなく、検査・立会い・職長との調整といった「行かなければできない仕事」を予定に束ねて訪問します。行く頻度は減っても、1回の滞在時間はむしろ延びました。

CloudCamera

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効果(導入6か月後)

指標導入前導入後
移動時間(施工管理者1人あたり月)40時間超約5時間(月35時間の削減)
状況確認の電話1日10件以上1日2〜3件
現場訪問の空振り週に数回ほぼゼロ
写真の保存場所メール・チャットに分散現場別に一元化

移動の削減分は、検査の充実と、後回しになっていた実行予算・原価管理の事務に振り替わりました。また、写真が現場別に整理されて残るため、竣工時の写真整理や、発注者への進捗報告資料づくりも副次的に軽くなっています。

導入の手順と負担

導入は2か月で全現場に広がりました。手順は次のとおりです。

  1. 1現場でテスト(2週間): 所長が自ら定点写真の位置と撮影項目を設計し、協力的な職長のいる現場で試行。朝の確認の手応えを確かめた
  2. 撮影設定の型を複製: テスト現場の設定(全景の位置図・撮影項目・フォルダ構成)を型として、他現場へ展開。現場ごとの調整は位置図の描き直しのみ
  3. 職長への説明を対面で: 各現場の職長会で、目的(確認待ちを減らす)と操作を説明。スマホ操作の不安が強い職長の現場では、若手の作業員を撮影係に指名する形も認めた

費用はアプリの利用料のみで、判断材料は移動時間の人件費換算との比較でした。月35時間×5名分の移動が減るなら、と経営会議での承認は即日だったといいます。もともと工事写真の整理負担の削減も狙っており、遠隔把握はその延長で得られた効果という位置づけです。

工事部長の視点: 「聞く管理」から「見る管理」へ

この仕組みで一番働き方が変わったのは、実は工事部長でした。従来の全現場把握は、毎夕1時間の電話ヒアリング。担当者の主観というフィルター越しの情報で、「順調です」の裏にある異変には気づけませんでした。

いまは朝の15分、全現場の写真を自分の目で見ます。「順調と言っていたが、外部足場の養生が乱れている」「この進捗だと来週の検査は無理では」。写真は主観を挟まないため、問いかけの質が変わり、指示が具体的になりました。定例の現場訪問も、写真で気になった点を確かめる訪問に変わり、巡回の密度が上がっています。

「報告を聞く管理から、現物を見る管理へ。監督が現場でやってきたことを、マネジメント層が全現場に対してできるようになった」というのが部長の総括です。

現場側の受け止め

当初、職長側には「監視されるようで気分が悪い」という声がありました。転機は運用の説明を変えたことです。「監督が来なくても作業を止めずに済むように、判断材料を送ってほしい」。つまり写真は監視ではなく、確認待ちの時間を減らすための道具だと位置づけ直しました。実際、以前は監督の現場到着を待っていた軽微な確認(納まりの判断・材料の承認)が写真とその場の電話で済むようになり、職長側の手待ちも減っています。いまでは職長から「これで進めていいか」と写真が先に飛んでくるのが日常になりました。

うまくいかなかったこと

  • 全景写真の画角が職長によってばらばらで、比較しづらい時期があった。「この位置からこの向きで」を現場ごとに決め、初回に見本を撮って解決した
  • 電波の弱い山間部の現場で同期が遅れ、朝の確認に間に合わないことがあった。オフライン撮影と夕方のWi-Fi同期をルール化して回避した

T建設からの3つのアドバイス

  1. 定点写真の位置は監督が決める: 「毎日同じ場所から」の場所選びが仕組みの質を決めます。工程の急所(揚重ヤード・仕上げの進行面・養生の要所)が写る位置を、施工管理者が現場ごとに設計してください
  2. 写真に返事をする: 送られた写真に反応がないと、職長は「見ていないなら撮る意味がない」と感じて運用が枯れます。朝の確認後にひとこと(了解、この部分明日見に行きます等)を返す習慣が、仕組みの寿命を延ばします
  3. 「行かない」を目的にしない: 削るのは無駄な移動であって、現場との接点ではありません。行く日の質を上げるための遠隔把握だという目的を、導入時に全員で確認しておくことをおすすめします

まとめ

T建設の事例の核心は、移動を我慢で減らしたのではなく、「行かなくても分かる状態」を日々の記録写真の延長で作ったことです。多現場管理の負担に悩む会社にとって、特別な投資なく始められる現実的な打ち手だと言えます。写真運用の設計は建築工事の工事写真の撮り方、アプリの機能はCloudCameraの紹介記事をご覧ください。

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